五十肩(肩関節周囲炎)について
このような症状はありませんか?
- 腕が挙がらない
- 夜眠れないほど、肩が痛い
- 突然、肩が激しく痛む
- 腕の外側が痛む
上記の症状がある方は五十肩(肩関節周囲炎)の可能性があります。
50代で最も多くみられ症状の為、「五十肩」という俗称で呼ばれることが多いですが正確には肩関節周囲炎といい30代から70代くらいまで幅広い年代でおこります。
五十肩はなぜ起こるか?
肩関節は股関節のようにしっかりと包み込まれた構造ではなく関節が浅い為非常に不安定で、約4~5キロの腕を筋肉や靭帯で支えることで関節を安定させています。関節が浅い分、股関節などと比べて自由度が高く人の身体の中では最も可動域の広い関節になっています。しかし広範囲を自由に動かせるのと同時に脆弱性も隣り合わせで伴っております。
加齢や運動不足などで関節を支える筋力が低下したり、靭帯が硬くなることで関節に負担がかかりやすくなります。そして、その状態が継続することで関節(関節包)に炎症が起こり、炎症後関節周囲の組織に癒着が起こる為に肩関節の可動域が狭くなります。
肩関節の構造について
肩関節(前面)
肩関節(後面)
股関節※参考までに
肩関節の靭帯(前面)
棘上筋(後面)
棘下筋・小円筋(後面)
肩甲下筋(前面)
三角筋(側面)
五十肩は鍼灸で改善できる
当院では関節の可動域を確認し僧帽筋・三角筋・棘上筋・棘下筋といった肩の関節を支え、動かす為の筋肉のうちどの筋肉が肩関節に負担をかけているかを確認しその筋肉の緊張をとっていきます(どの筋肉が負担をかけているかは個人差があります)。これらの筋肉の緊張をとることで次第に関節への負担が減り、それによって炎症が徐々にとれて痛みがやわらいでいきます。
五十肩が治っていく過程には3つのステージがあります。
- 「疼痛期」痛みが強くて動かせない、痛くて眠れないなどの症状。炎症が強い時期です。
- 「拘縮期」痛みは徐々に治まっていくと同時に肩を動かせる範囲が狭くなる。炎症が徐々にとれていきますが、その後で循環障害が起こり関節包が硬くなってしまう。また、痛みがある間筋肉を使っていないため、筋肉が硬くなってしまっている時期です。
- 「回復期」痛みはほとんどなく可動域も広がっていきます。
「疼痛期」では、痛みを取り除くことを優先します。できるだけ肩は動かさず、肩に負担の少ない生活をして頂きます。その後の「拘縮期」では可動域を広げる為の治療をしつつご自宅で可動域を広げる運動もして頂きます。最後の「回復期」はほとんど痛みもなくなるので積極的に運動をしても大丈夫な時期です。運動の仕方も当院でお伝えしております。
五十肩はどれだけ早く治療したかによって、治った後の肩関節可動域が変わります。痛みのある期間が長いほど、肩を動かさないでいる期間が長くなるので、治癒後の関節可動域も狭くなってしまいます。
五十肩でお悩みの方はお気軽にご連絡ください。