腰痛について
腰痛には様々な原因がありますが、まず腰といわれる部分の構成を見ていきましょう。
①腰椎
5つの骨が関節(赤丸)によって連結しています。
②椎間板
腰椎の間の青色の部分が椎間板といいクッションの役割を果たしています。
③靭帯
関節部分で連結している骨を安定させたり関節が動き過ぎないように制限する為のバンドのようなものです。
④筋肉
関節部分で連結されている骨を安定させたり骨を関節部分で動かします。腰の動きに関係する筋肉は沢山ありますが、代表的な筋肉を3つ挙げます。
腰方形筋(ようほうけいきん)
多列筋(たれつきん)
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)
これらの腰を構成する骨・椎間板・靭帯・筋肉が損傷されて、そこに炎症が起こると痛みが発生します。
腰痛の分類
- 骨に関係する痛みは、圧迫骨折や分離症
- 椎間板に関する痛みは、椎間板ヘルニア
- 靭帯に関係する痛みは棘間靭帯・棘上靭帯の損傷
- 筋肉に関する痛みは筋・筋膜性腰痛
問診では以下のことを確認します。
- どのあたりに痛みがあるか
- いつから痛みがあるか
- どんな動作・姿勢の時に痛みが強くなるか
- 夜中に寝ている状態や一番楽な姿勢の時に激しい痛みがないか
その後、可動域検査や触診で痛みの原因を判断し患者様に痛みの原因と治療方針を説明した上で治療致します。
鍼灸不適応疾患との鑑別
- 夜中に寝ている状態や一番楽な姿勢になっても激しい痛みがある時。⇒内臓性腰痛といい、このような時は腎臓結石・尿路結石・胆石・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・腹部大動脈解離・閉塞性動脈硬化症・子宮筋腫・卵巣嚢腫などの可能性も考えなければいけません。内臓性腰痛の可能性がある時は病院を受診して頂きます。
- 検査で腰部を軽く叩いただけで激しい痛みがある時。⇒圧迫骨折の可能性があります。神経症状がなければ圧迫骨折は安静にして骨が固まるのを待つケースが多いです。鍼灸では圧迫骨折の可能性がある部分を治療することで、痛みを和らげると同時に骨が固まるのを促進させます。マッサージは禁忌です。念のため、整形外科でレントゲンをとることをお勧めすることもございます。また、痛みが強い場合、神経症状がある場合は病院を受診して頂きます。
- 急性椎間板ヘルニア⇒直後は鍼灸治療だけでは痛みがとれないことがあります。そのような時は、痛み止めを併用して鍼灸治療をすることをお勧め致します。
腰痛でお困りの方はお気軽にご相談ください。